【自己紹介シリーズ】夫が突然倒れました その日⑧

そこからは、速かった。
光の速さで寝室までやってきた救急隊に、エセ心臓マッサージ師の私は弾き出され、すぐにプロの心臓マッサージが始まり、点滴、気管への挿管、AEDが行われた。

救急隊のその素早さ、張りのある声、十分な人手に、安堵を覚え泣きそうになった。
そんな適格な処置を見ながら、私は自分がゼーハーゼーハーと肩で息をしていることに気づいた。
ああ、水が飲たい。
喉はカラカラのまま。時々訪れるえづきをなんとか堪える。
手が小刻みに震えていた。

夫の身に、とんでもないことが起きた。

救急隊員囲まれた夫を見て、理解した。