【自己紹介シリーズ】夫が突然倒れました その日⑩

応急処置と一通りの検査を終え、ご両親が病院に着いた頃には日付が変わっていた。

医師から説明があった。
どうやら夫は、原因不明の心室細動を起こしたらしい。

わかっているのはそれだけ。
病院に着く頃には、心臓は鼓動を再開したが意識は戻っていない。

今は、人工呼吸器で息をしている。

どう質問したら良いのかかわらず、私は医師に「夫は死ぬんですか?」と聞いた。
医師は「今は何とも言えません」

また、絶望した。

とにかく落差が激しいのだ。
だって、つい3時間前までは飲んだくれの大阪旅行に行くはずだったのだ。
最後に会話した時には、元気に笑っていたではないか。

医師からは「ただ、本当にマズい状態のときは、この時点で痙攣を起こしているから希望はある」
だけど、明日生きているかはわからない、意識が戻るかはわからない。
戻ったとしても、脳に障害が残る可能性がある。これまでと同じ生活を送れない可能性もある。

厳しい話だった。

ご両親と一緒でなければ、最後まで話を聞くことはできなかったと思う。